ジロ・ディ・イタリア観戦ツアー
5月25日(水)快晴
第17ステージ モルヴェーノ〜カッサーノアッダ 196km
コースレイアウト
トレントへ山岳エリアから抜け出てロンバルディア平原の、比較的平坦なスプリントレースの様子を伺わせるコースです。小さいイドロ湖畔を南下し、87km地点のバルゲから標高を上げてサント・エ・ゼビュオ峠(第4級570m)を通過しながらブレーシャーの街へ駆け下ります。あとはひたすらフラットのスプリントコースが約70kmを西へ続きます。第19・第20最終山岳ステージの勝負前の、穏やかな調整コースといったレイアウトです。上位集団の順位は維持しつつレースを展開していくのでしょうか。
観戦前のサイクリングツアー
ミネルヴァガルダ湖畔から約32kmを湖畔沿いに反時計回りで世界遺産に指定されているシルミオーネまで爽快、絶景サイクリング。
湖畔の途中に中世の面影をそのまま残すモニガの村に立ち寄ってガルダ湖をバックに記念撮影したり、ガルダ湖の南部を代表するリゾート、デセンザーノでカフェタイム。
ちなみにここから北部のリゾート、リヴァガルダを結ぶガルダ湖畔クルーズが運航しています。ガルダ湖の風を爽快に感じながら15km〜20kmのゆっくりサイクリング。右側通行、ラウンドアバウトなどイタリア自転車事情にもかなりメンバーがなれてきたようです!デセンザーノを過ぎると頭上にシルミオーネのサインが出てきました。ツーリストを運ぶ大型バスや実際にシルミオーネに向かう人でごった返すほど人気観光スポット。世界遺産に指定されているのは、先史時代の湖上住居跡という文化遺産です。約2時間30分のゆったり、のんびりイタリア最大ガルダ湖畔のサイクリングが無事に終了。天気良し、景色良し、ロード、マウンテン、Eバイクでも自分のスタイルで、みんなで走ればサイクリングは楽しいです!
今日は特別に数年前までジロに参加していたファキネッティ・パトリック氏が一緒に先頭を引いてくれました。Grazie Patric!
サント・エ・ゼヴィオ峠観戦
サイクリング終了後は、ランチも食べずに観戦地のサント・エ・ゼビィオ峠へ直行しました。峠手前でバスを駐車。ベルーシャの街に近いこともありますが、サイクルジャージを着こんで自慢のバイクに乗った大勢のサイクリストが周囲をプレアルピ(アルプス手前の低山)に囲まれたゼビオ峠(570m)に集結しているのがとても印象的です。
14時50分、ヘリコプターのホバリングが頭上に来ると先頭集団がサポーターぎりぎりに駆け抜けていきました。この99.5km地点ではイアムの逃げグループと大集団がしずかに追う展開の峠観戦となりました。参加メンバーの応援も熱が入り、ジロTVカメラ、地元新聞、他国のサポーターから写真撮影の的になっていました。峠の上下の観戦ポイントで最も選手と近い距離での観戦が楽しめました。
リザルトは区間順位、サント・エ・ゼヴィオ峠で先頭集団にいたロジャー・クルーゲ(イアム・サイクリング)、単独総合順位、マリアローザはステファン・クルイスウィック(チームロット・NL)、2位(3分差)エステヴァン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)、3位(3分23秒差)アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター)、4位(4分43秒差)ヴィンチェンツオ・ニイバリ(アスタナ)、そして5位(4分50秒差)にイルヌール・ザッカリンが続いて残る4ステージを戦います。
イタリア国民の期待の本命、ニバリのタイム差が広がっていることに誰もが動揺しているようです。一方、総合タイム差について余裕ではなく、まだ緊張して今後のレースに臨むという冷静なステファン・クルイスウィックのインタビューがスポーツレイチャンネルで流れていました。まだまだこれからロンバルディア、ピエモンテ、そしてフランチアルプスに入る山岳ステージで何が起こるかわかりません。
フェローサイクル 水澤 史